ルート66走行最終日

ルート66を走り始めて9日目、今日走ればスタート地点のシカゴへ着く。見所も訪問先も多くなることから本日の出発は06:30。
朝食はホテルロビーにて元気の出る日本食。米はやはりいいですね、おいしかったです。

昨日の夕方インターステート走行中に見たゲートウエイを朝一番に見に行く。ミシシッピー川沿いに作られており早朝だから交通量も少ないのですぐそばの道路に止めて見上げる。
真下だったこともあり空に向かって伸びる2本のアーチ、見上げてばかりいると首が痛くなるし、カメラは近すぎるためアーチ全体がはいらない。

何かアーチのてっぺんは上れるそうであるが、展望室の窓がかすかに見える2本足の構造物は下から見ていても怖い感じがする。高所恐怖症ではないのだがてっぺんから落ちる夢を見そうである。
セントルイスの町並みを映すミシシッピーの川岸と、アーチの真ん前の駐停車禁止の道路。ポリスがくれば問答無用で切符を切られる。逃げるようにしてアーチを後にする。

ルート66チェーンロックスブリッジをバイクで渡る

セントルイス郊外にあるミシシッピー川にかかる1929年に建設され、川の途中で20度の角度で折れ曲がっているチェーンロックスブリッジを見に行った。
1968年までは一般道路として通行していたが老朽化に伴い一般車両は通行できなくなった。現在は自転車、歩行者しか通れない。

この橋のたもとに着いたのが08:00ころ。駐車場に車を止めて橋をちょっと歩き川の中程を見て「20度に曲がっているー!」で終わるはずだったロックスブリッジ。
サプライズ!何と*****で私たちハーレーダビッドソン7台とサポートカーは走って渡れることになったのだ。

通行を遮断していたいくつかの金属製ゲートが開き、ハーレーダビッドソン7台は次々とコンクリート舗装の鉄橋を走り始めた。何で20度の角度がついたのかは聞かなかったが、その20度の角度で折れ曲がるところで小休止。
橋は高さはあるが幅はそんなに広くない。大型トラックなどは、中央部角度20度で折れ曲がったところは通れないかもしれない。
1968年まで使われたこの橋、老朽化もあるけど大型車のすれ違いが困難になったことも廃止の一因じゃないかなと思った。

今にも雨が降りそうで稲光が走る空、川を渡る風は強く、バイクを止めて最初に出た言葉は「おっかないー」。
吹き飛ばされるほどではないがミシシッピー川のど真ん中で、雷を伴う嵐に巻き込まれたくない。せっかっく通れたロックスブリッジ、もう少しゆっくり見たかったが各人写真を撮って早めに渡り終える。

ロックスブリッジを渡り次の訪問先、アル・カポネ御用達ルナカフェに向かうが、稲光がものすごい。辺り一面暗くなってきており雨雲へ向かって走っているようだ。ここでカッパを着てバシャバシャでルナカフェへ行っても大変なので、行くことを中止しインターステートでシカゴへ向かうことにした。

インターステート雨の走行はたいへん

ルート66と平行に走るインターステート55号に入ってすぐに大粒の雨、更に雷がすごい。稲妻がほうき状、放射状に光る。日本の雷とはスケールが違う。竜巻もあるようで地表に向かって黒い雲が延びている。
インターステートの路側帯で停止し急いでカッパを着る。どうやら通り雨ではなさそうだ。気温も下がりちょっと寒さも感じる。
こんな悪天候が続いたら嫌だなー、大陸横断は猛暑の中、日に焼かれケツの痛みを耐えて走りきるイメージがあるのに。ぼやいてもしょうがないバイカーに天気の選択権はない。

私は大陸横断をするにあたり、絶対にウインドスクリーン(風防)付きのバイクを選択するつもりでいた。何たって風を受けて走ったら疲れるからね。
幸いヘリテイジソフティルのウインドスクリーン付きで良かったがその良さが裏目に出た。インターステートで雨が降ると水滴で前がよく見えなくなってしまうのだった。更にコンボイからの跳ね上げるしぶきもすごく、反射的に左手がワイパーのスイッチを探してしまう。車じゃないって!。

ウインドスクリーンに付いた水滴は、80マイルほどで走ればはじいて飛んでしまうと思ったが飛ばない。更に内側にも水滴が回り込み水滴だらけになり、前を走る車やバイクの形が識別できないくらい視界が悪くなる。
あまりにもひどければウインドスクリーンから顔をちょこんと出し前方を確認することになるのだ。ほんとに雨は強度の緊張が強いられ楽しくない。苦しいのだった。

リンカーンハウスへ

イリノイ州に入り雨は止み曇りとなる。ルート66リッチャーフィールドにある野外映画館スカイビュードライブインに行ってみた。巨大なスクリーンの裏側しか見えないのだが1951年から営業している。
日本でも野外映画館は流行ったことがあり、私はスーパーマンなんか見た覚えがある。ここは私が生まれる前から営業しているのだ。当時としては超画期的だったのではないかと想像がつく。

ルート66を走り次の訪問先はリンカーンハウス。リンカーン大統領は生涯に一度だけ家を持ったことがあるそうで、その家が大切に保存されている。そして家の中も見学できる。
私たちはまた降り出した雨でバシャバシャとなっている。リンカーンハウスの管理等でもあるリンカーンミュージアムへ入ることさえ気が引けたのに、リンカーン様の家を汚すわけにはいかない。外から見るだけだった。
リンカーンハウスでは、辞書、文具や地球儀など偉人になりましょう!グッズはたくさん売っていたがルート66グッズは一つも売っていない。ルート66グッズを買う人は偉人にはなれないようだ。

SCHENK’SGARAGE Towanda Illinois

ツアーでは一日に2〜3回ガソリンを補給をするが、12:00頃2回目のガソリンを補給してして昼食を摂る。天候も回復してきて暑くなってきた。
この先のシカゴまで129マイル、インターステート55号は続いているが、ルート66も生活道路としてほぼ並行に走っている。

今ツアーのルート66最後のフリー走行を、トワンダという町からオーディルの町まで行うことにした。
フリーウエイを降りルート66に入り、フリー走行の打ち合わせをしていたら、子育てが一段落したような感じのおばさんに呼び止められた。

個人でルート66、SCHENK’SGARAGEを開いているので見ないかとのこと。
みんなで行ってみれば車が2台程入るガレージにはルート66グッズが飾ってあり、おばさん一人で集めているらしくどこを見てもR66グッズであふれている。Tシャツや小物なども自分で作っていて販売している。
ルート66では有名なのかハーレーダビッドソンに乗るバイカーはこのガレージにあいさつをして通ってゆく。
うーん個人でこれだけのことをするのはルート66がよほど好きでないとできないなー。おばさんはすごい。

シカゴのホテルに着いたが

ガレージを出てすぐフリー走行をする。集合場所のオーディルまで各自思い思いのフリー走行を楽しみ、全員が集まったところで、廃止となったルート66で記念撮影をする。この使わなくなった道路は砂などが堆積して草が茂り、やがてアスファルトは草原に戻ってしまうのだろう。

この後ジェミニジャイアントがあるところで小休止し、撮影などをしてフリーウエイを主に走り、シカゴ郊外にあるホテルに19:00に着く。
ロサンゼルスから2617マイル。走りに走ってルート66のスタート地シカゴに着いたのだ。ルート66完走だ。がみんなで祝杯をあげることもなく、今までと変わらない夜を過ごした。
ルート66全走破したという達成感はあまりなかった。ミディアムポイントのほうが到達したぞーとの感があった。それにもう終わりかと思うと少し寂しい・・・。


 Day7 TOP Day9 


チェーンロックスブリッジ20度の角度の中央部。日本人最後の通行者として歴史に名を刻まれる!かな?

ゲートが開き走り始めた。もちろん私たちだけが走った

インターステートを降り一般道路へ

ジェミニジャイアント!でかい   ホテルへ着きました

野外映画館は高い塀で囲まれている。でないと・・・

インターステートは正面の他、脇からも雨が降る

オーディルのルート66でフリー走行終了。道路も終わり

SCHENK’SGARAGEのおばさんと記念撮影

ガレージ入り口と背の高いおねーさん。違う私が低いのか!

雨のリンカーンハウス、やや郊外の閑静な所にある

降って欲しくない雨で急いでカッパを着る

一番止めてはいけない所に止めてアーチを見ていた

ウインドシールドは雨で水滴がつき視界が悪くなった

アーチの最上部。上れるそうだが下から見ていても怖い