走行最終日 今日は自由の女神にあえるのだ

ブリーズウッドのモーテルを07:30出発。近くのレストランで朝食を摂り、ガソリン補給で本格的にスタートとなる。
本来はインターステートを使って、ヨークのハレーダビッドソン工場へまっすぐ行くのだが、昨日のパンク修理のため、一番近いディーラへ向かう。
道は峠を越えるが、朝ということもあるのか霧が出て何とも幻想的な雰囲気である。どことなく日本の高原をツーリングしているようで日本が近くなった感じがする。
う〜ん日本はもう少し遠くてもいいかなーと思ってしまう最終ランの朝である。

2時間ほど走り、どこのハーレーディーラーか分からないが、到着しパンク修理をしてもらう。以前オクラホマのハーレーディラーへ寄ったが今回は特別また寄るのだった。
ディーラーだから展示車両もたくさんあり、修理が終わる1時間半のあいだゆっくり見られたのである。
修理行程も見ることができてしばらく見ていた。バイクをリフターで上げ下げしてホイールを外しタイヤを入れ替えていた。何か組み立て時の不良らしく、チューブを挟んでいたとかでタイヤ、チューブとも交換していた。

ハーレダビッドソン、ペンシルバニアヨーク工場

修理が終わりインターステート83号に乗り、ヨークにあるハーレーダビッドソンヨーク工場へ。
ビックツインはここで作られるらしいが、ロサンゼルスイーグルライダー社でレンタルしたFLHX2台は、レンタル時走行8マイルの新車であった。
ということは、この工場から出荷されロサンゼルスイーグルライダー社へ納められ、すぐに私たちが走ってここに戻ってきているのである。
何と因果なことか!。私が乗っているレンタルしたヘリテイジソフティルも2〜3ヶ月前にここで作られたのであろう。

工場内の見学もできるのだがファクトリーツアーチケットは午前、午後とも売り切れでできなかった。
工場正面の建物は、組み立てラインを模した展示なども行われているミュージアムになっている。またハレーダビッドソングッズを扱う売店もあり、大人から子供まで十分に楽しめるようになっていた。
その売店では、ヨーク工場でしか買えないグッズがたくさん売られており、私はハーレーダビッドソンコーヒー!とギター弾くときに使うフラットピックを5枚買った。
ピックにはハレーダビッドソンマークとヨーク工場と印刷されていて、日本では絶対に手に入らないものだ。まぁ安いものばかりといわれればそれまでだが・・・。

全車種の展示車がありまたがってもいい。ロッカーやスプリンガーソフティルにもまたがったがいずれも私にはでかい。サイドカーは子供達に人気があり、乗るまでに順番待ちが必要だった。
ハーレーダビッドソンのオーナーにとっては、とてもいい場所なのかもしれないが、私はオーナを10年前に止めている。よってあまりグッズは買わなかった。

ヨークからルート30のランカスター、フェラデルフェアは現代文明を拒み、電気も自動車も使わない、自給自足の生活をする人たちが住んでいる。
NHKのドラマで「大草原の小さな家」が放映されていたが、あの時代の生活様式そのままで現代を生きている人々であった。
道路には馬車や馬に乗った人々が盛んに往来していて、一緒に走るがハーレーダビッドソンの方が早い。
馬は1馬力だけど私の乗るバイクは何馬力だろう?世界中で馬と仲良く走れるところはここだけ!。欲深な私にはここの生活は3日と持たないであろう。

ニュージャージーターンパイクはスリリングな走行

フェラデルフェアから有料のニュージャージーターンパイクを走りニューヨークへ向かう。片側3〜6車線を走る車は乗用車が多いためか80マイルで間断なく走行している。
サポートカーと7台のハーレーダビッドソンが列をなして走るのはかなり大変である。
サポートカーとそれに続く4〜5台は列を保つたことは容易だが、後方のバイクは遅れないようにと90マイルで走ったり、急な割り込みもしなけらばならず、かなりの緊張を強いられる。

このツアーの難易度は1〜5まであって3となっているが、大都市のインターステートやターンパイク走行に関しては、5+2ぐらいの評価をつけたいと思うほどだった。まぁかっ飛ばすのは好きだけど。

やったー!自由の女神

ニューヨークに近づき摩天楼が見え始めたころ、ニュージャージーターンパイクを降り、自由の女神像が見えるハドソン川右岸へ進路をとる。
広い駐車場にハーレダビッドソンを止め、公園の中を歩いてゆくと十数本のはためくアメリカ国旗の間から、薄い緑色の自由の女神像が見えてくるのだ。
マンハッタン島から一番近い川岸だから後ろ姿になっているが、「やったー」!「着いたー」!この自由の女神像を見るためにロサンゼルスから走ってき・・・いや日本からやってきたのだ。
夕焼けで赤く染まりつつある自由の女神像、やや左側にこれから向かう摩天楼のビル街も見えている。ニューヨーク、ニューヨーク紛れもなくニューヨークだ。

みんなで自由の女神像をバックに女神像のポーズで記念撮影をすることになったが、自由の女神はどっちの手にトーチを持っているか分からなくなった。後ろを振り返り「右だ、右」でパチリ。
自由の女神像をバックにした記念撮影はガッツポーズではありません。トーチを持ったポーズです。

ニューヨーク摩天楼を走る

「さあこれからが大変です。大混雑のニューヨークマンハッタンを走ります。充分気をつけて・・・」とガイドの木村氏のサポートーカーを先頭に、有料のトンネルを通りマンハッタンへ。

夕日に照らされた摩天楼のビル街は結構渋滞している。今日の宿舎のホテルへ向かう前に、世界貿易センタービルが倒壊したグランドゼロを見るためにちょっと遠回りをした。
グランドゼロは今も重機による工事が行われていて、モニュメントパークになるのかな?

街のネオンが一斉に灯され、サポートカーを先頭に7台のハーレーダビッドソンは、渋滞もひどくなって行く中を走るのである。
私が最後尾のため、多少の信号は無視してもついて行くが、人がどーと歩き始めると、やむを得ず停止しなければならない。
これはやばい!前のバイクを完全に見失ってしまった。また迷子か・・・。
イエローキャブと割り込み、すり抜けバトルでクラクションを鳴らされたりしながら10分ほど走ると、遙か前にライトに照らされたヘルメットが見えた。
良かった追いついた。ニューヨークマンハッタンのど真ん中で迷子は嫌だからね。

ニューヨークに着いた

20:30今日宿泊するホテルの駐車場にハーレーダビッドソンを止め、やっとついた。これで走るのは終わりだ・・・達成感と共にもう終わるのかとの寂しさを感じながら、最後のワイヤーロック、デスクロックをする。
ツアーメンバーは、何か薄暗い駐車場でつまらない気もするが、思わず完走記念撮影をしてしまった。

この後、私たちが乗ってきたハーレーダビッドソンは、イーグルライダー社のあるワシントンDCから来たトラックに積まれ、引き取られていった。
イーグルライダー社の工場で整備され、明後日からの大陸横断Bチームが、ロサンゼルスまで走ることになっている。私たちは大陸横断Aチームなのである。

ホテルで一息入れ、夕食も兼ねた完走打ち上げは、韓国料理店で行った。
ロサンゼルスから走りに走って、先ほどまでハーレーダビッドソンのハンドルグリップを握っていた手は、冷えたビールのコップを握っている。カンパーイ!うまい!!「やったー」!
ロサンゼルスからの走り始めは、途方もなく遠く感じたニューヨーク、走りに走ってニューヨークに着いてみれば、あっという間のように感じる。
楽しくも、辛くもあった11日間の様々なドラマを語り合い打ち上げは続くのであった。

ほんとにたくさん食べて飲んで超満腹。その足取りでマンハッタンエンパイヤステートビルを上ることにした。その日が何曜日だったかは分からないが23:00頃でも道路には激しく車が往来し、歩道にも人があふれている。

エンパイヤステートビルでも、夜遅いにもかかわらず上ろうとする人がエレベーターの前で行列を作っている。私たちも並んだ。
キングコングも登ったエンパイヤステートビルの展望室は、回廊となっており夜のニューヨーク、マンハッタンを一望することができる。
ツアーメンバーは、自分たちが走ってきた方向や道などを丹念に探してしまうのだった。ハドソン川に架かる橋やクライスラービルもネオンで飾られとてもきれいだ。

ロサンゼルスから走ってきて、このきれいな夜景があると思うと、大陸横断をやって良かったと思う。

エンパイヤステートビルからホテルに戻る際いリムジンがチャーターでき、とてもリッチな気分でホテルへ着くことができた。
ホテルに戻ったのは午前1時であった。とても長い大陸横断ツアー最終日を終えるのであった。

走り終えて

アメリカ大陸横断ツアーは、ロサンゼルスからシカゴまでのルート66全線を走り、更にニューヨークまでハーレーダビッドソンで走る3600マイルの旅。
今ツアーをサポートしてしてくれたのは、現地手配旅行社フリーダムアメリカ・INCの木村氏。
「アメリカを楽しんで」とフリー走行、フリータイムの時間をとても多くとってくれた。ポンと放り出されるとちょっと辛い面もあったが、ツアー後半は英語が話せない私でも、一人で買い物や食事などは、平気でできるようになっていた。
アメリカを楽しむ、安全に走る面での配慮もなされ、ロサンゼルスから全員無事に自由の女神を見ることができている。

参加したツアーメンバーは7人。「荒野の7人」ではないけれど、猛暑、風雨など苦楽を共にしニューヨークまで走ることができた。
二輪の経験も豊富で、生活や周りの環境をきちんと整え、参加している人ばかりで、ある意味「選ばれた人」である。みなさんありがとうございました。

The Mather Road Route66 Where do you get your kicks?
いつになるか分からないが、フリーダムアメリカINCより宿の手配などのサポートをしてもらい、単独でルート66を時間をかけ、もう一度走ってみたい。
                        2008.夏 かわさき


 


 Day10 TOP


テファニーの開店を待っている人は多かった。営業時間中は行けなかった。行っても私は何も買えないけど

ニューヨークマンハッタンへ入るにはトンネルを通る必要がある。いよいよ摩天楼の下を走るのだ 

モーテルを7:30に出発。その前にニューヨークを走るので雨で汚れた車体をきれいにする。

M&S HARLEY DAVIDSONディラー。バイクをトラックからそのまま降ろせるようになっている。

LANCASTERの人々、馬車に乗って移動している

ニュージャージーターンパイクはガッツな走りが必要!!

アメリカ国旗の間から自由の女神像が突然見える感じだ

自由の女神をバックに。ロスから走ってきたぜ!! 

マンハッタンは人、車で混み合っている

20:40 荒野の7人、無事走り終えての記念撮影をしてしまう!

ホテルまでリムジンに乗りました。翌日も飛行場まで乗った

幻想的な霧の峠道、日本の高原の朝という感じ

ヨークにあるハーレー工場にて、ヨーク見て!・・・

グランドゼロ!世界貿易センタービルがあったところ

ニューヨーク摩天楼を見ながらハドソン川右岸へ

追いついて一安心でパチリ   ホテルに近づく

韓国料理店で打ち上げ!その後エンパイヤステートビルにも上りました。0:00にもかかわらず展望室は人が多かった  

エンパイヤステートビルから見たニューヨーク夜景、すごい!

ホテルから昨日上ったエンパイヤステートビルが見えた

展示車はまたがってよい。サイドカーはじめ多くの機種にブーツで傷をつけたかもしれない。H.Dはでかいからね!