■■ 2003年1月1日 ■■

ラスベガスからデスバレーへ

1月1日ニューイヤーである。ラスベガスの朝、道路には清掃車が動き回っている。救急車もけたたましくサイレンを鳴らし走り回っている。
午前7時半、紙くずの散らばった歩道を歩いて近くのマクドナルドで朝食。いつも通り今日のルートを確認しながらホットケーキセットの朝食を食べる。
今日はデスバレーを見て、バーストゥへ向かう。ツーリング中最長の320マイルを走ることになる。

朝食後、昨夜の騒ぎの中で何事もなかったバイクのワイヤーロックを外し、デスバレーに向けて出発。寒い!天気は良いのだが気温が上がらない。防寒対策はしているのだがそれでも寒い。トイレ休憩のドライブインで防寒ズボンをはく。
このドライブインではラスベガスが近いこともあり、スロットルマシーンやゲーム機が並べてあり、朝から老若男女がゲームに熱中している。
ここのゲーム機はラスベガスと違って、楽しめるよう設定されているのだろう。この遊ぶ人たちを見てアメリカには正月はないのだと理解する。1月1日はただの祝日なのだ。

イージーライダー

広い荒野を地平線の彼方まで続く一本の道。グリップからVツインの鼓動が心地よく、私の身体に伝わる。10代のころ映画イージーライダーを見た。
その時のハーレーはとてつもなく大きく、別の世界の乗り物として私の目に映った。それから年月を重ね映画のイメージが強いわけではなかったがFXSローライダーに乗るようになった。そして何時かはイージーライダーと同じシーンをと心にとめていた。
いまここにアクセルを開け走っている「何時かは」の自分がいる。バイクに乗っていてよかった。

エイリアン現る

給油のため寄ったガソリンスタンド近くに、エリア51がある。空軍の基地が実在する。通りがかりの日本人夫妻から墜落したUFOがこの基地に収容されて今もあるらしいと話を聞く。
インデペンデンスディの映画でも有名になった所である。そこにエイリアンが出現した。ごらんの通りである。

その日本人夫妻と日本語で話をし、子供がバイクが好きというのでハーレーに乗せて記念撮影。
一路デスバレーへ。デスバレーその名の通り灼熱地獄で昔は死者がたくさん出たところだが今は冬。灼熱とはいかなくても暖かくあってくれ、そう思いながらデスバレーに向かう。
左右カーブが続く谷間の道路を走ってゆくと、防寒具にくるまれたライダーたちは徐々に暖くなり、到着すると暑くなってしまった。
デスバレー国立公園はやはり暖かく、たくさんの人たちがいるがTシャツの人も多い。海抜より低い所だそうで冬は気候も良くキャンプに向いている。

デスバレー

デスバレーではバイクのツアラーもたくさんいて、中でも思い思いの改造を施した10台ほどのハーレーできている軍団は圧巻であった。
近くに寄るが怖くて話せない。それでもこのツアー同室のS氏は話しかける。
ベトナムからの帰還兵たちのグループで、ツーリングをしているとのこと。私もこの後写真を撮らせてもらうため、怖いがおそるおそる近づく。写真は撮って良いか?軽くOK。盛んに話しかけてくるが言葉は分かりませーん。「あい・どんと・のー・すぴーく・いんぐりっしゅ!」通じたぜ、危ない人たちに見えたが楽しい人たちであった。

昼食後デスバレーミュージアムを見学する。ここは有料で恐竜の骨、鉱石や厳しい自然環境を変えてきた人々の暮らしぶりなどが紹介されていた。
さて見学も終り出発しようとしたそのとき、警備員らしき人が行く手を塞ぐ。宮田氏が応対し、連行されそうに見えたが別の場所で話し始めた。
どうも2名料金を払ってないということらしい。2名はガイドとサポーターで引率が目的だと説明するが、宮田氏はバイク乗りの格好でありかなり大変なようである。しばらく話して理解してもらえたのかOKとなる。

デスバレーから老舗のモーテルR66

デスバレーからフリーウエイ15号に入り一路バーストゥへ。ニューイヤーで仕事をしている人は少なく、車も少ないだろうから早く着くと思ったら渋滞している。
渋滞はクラッチを握る頻度が高い。よって手が痛くなり嫌いである。高速道路の渋滞に思わず下道はないのか!したみち!・・・あるはずがない。日本ではない、修行!修行!。渋滞は自然渋滞だった。

夕日のハイウエイはきれいだ。山間に映える夕日がネオンの明るさに変わるとバーストゥの街だ。アメリカに来て何日もたっていないが、時計のない私には日にちと曜日の概念がなくなっている。1月1日はモーテルR66に宿泊するのだ。行程表にはそう書いてあるから。

R66の宿場町だったバーストゥのR66その名の通りのモーテルに 宿泊する。夕方6:00に着くがすでに暗く、何やら古い車が駐車している。でもナンバーが付いているから誰かが乗ってきたかもしれない。もしそうだったら写真でも撮らせてもらおう。
ハーレー8台をワイヤーロックでいつものように固定して各部屋へ分散。
部屋は狭く大きなベッドが入っており、テーブルの上に冷暖房設備がのっていた。
暖房はまあよいが、冷房は古き良き時代の備品で扇風機のみ。暑い夏は扇風機で過ごせということらしい。バスタブはなくシャワーのみ。看板にベストプライスとあるがそれなりの根拠があるのだ。

夕食はレストランが近くにないため、サポートカーでメキシコ料理店へ全員で行く。サポートカーはピックアップだが5人乗り、行き帰り合計4往復する。
レストランではメキシコの何とかビールを飲み、タコスを食う。メキシコ料理といえばタコスである。話はに聞いていたが見るのも食べるのも初めてである。味はまあまあ、相変わらず量が多くすぐ満腹になる。メキシコ料理が食えて幸せである。
モーテルへの帰り道他の人はコンビニに寄りビールなどを買っていたが私は風邪気味で何も買わず部屋へ。おやすみなさい。

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← サイコロ柄のあるシートはラスベガスだけ
マクドナルドラスベガス店  巨大朝マック
老若男女はハーレーに乗ってゲームに来る
デスバレーは暖かい   日本人観光客と
警備員らしき人は拳銃を携行していた
午後6時暗くなってネオンがきれいである
何とかタコス          混んでて待つ
ベッド 冷暖房機器 テーブル テレビスタンド 絵の7点で備品全部 
冷暖房設備、年間を通してこれ
で過ごす
他のモーテルであったハンガーもなかったタオル石鹸はあり

モーテルの駐車場には古き良き時代の車あり
この乾燥地帯はUFOが現れても不思議はない。宮田談
最近のエイリアンはSHOEIのヘルメットをかぶる
広い荒野、ハーレー、右側通行・・・アメリカ!
ステッペンウルフの曲は聞こえないが・・・
ハーレー軍団 怖い集団に見えるがそうではない