もしも事故にあったら! 事故を防ぐには 


 バイク乗りは事故となればまず転倒しむき出しの身体に大きなダメージを受けます。絶対事故にあわないことは乗らないことですがバイクの持つ醍醐味を享受するためリスクも大きいと承知の上で乗っています。
 長年のツーリング中での事故やトラブルなどを経験した中から少ないですがいくつかの事例を載せてみました。教条的な内容ですがみなさんと共に今後のバイクの安全を考えてゆければと思います。


○ 事例 1

  概要 転倒 鎖骨骨折 全治2ヶ月 バイク損傷ハンドルが曲がる程度
  日時 1979年6月 18:00頃
  氏名 A氏 
  二輪 排気量 250cc
  場所 新潟市内野海岸砂浜
  内容 山岳の林道から平坦路走り海岸の砂浜波打ち際を走行中30キロ前後でバランスを崩して転倒。砂浜であるが大転倒によりバイク
      そしてライダーも回転しながら肩から落ちる。
  対応 同行者はすぐさま漁をしている人に病院等を聞くが近くにはないとのこと。救急車を呼ぶにも電話さえなく痛みはあるが本人が大丈
      夫とのことで新津まで20キロの道のりを負傷した状態でタンデムで帰り、自宅近くの病院へ。バイクはその場に残し後日軽トラで回
      収する。

○ 事例 2

  概要 転倒 鎖骨骨折 全治1ヶ月半 バイク損傷ヘッドライト部からタンクにかけて破損
  日時 1994年9月 16:00頃
  氏名 B氏 
  二輪 排気量 650cc
  場所 新潟県三島郡和島村地内の国道116号線
  内容 新潟県から福島を通り新潟の海岸沿いの国道を新津に向けて走行中、前車と離れたためとスピードを上げていたところゆるい右カ
      ーブで曲がり切れず転倒。バイク、ライダーとも左道路わきに投げ出される。
  対応 後続のクラブ員により倒れ座り込んでいる人の安否を確認しながら先頭車に無線で引き返すよう連絡。打撲はしているが救急車要
      請にいたらない。
      自走不能なのでタンデムで新津まで帰り病院へ行く。バイクはその場に残し翌日販売店の軽トラで回収する。

○事故発生!ライダーの身の安全が第一

 事故や転倒により負傷した場合、現場では応急手当しかできませんし負傷部位によっては後遺症もあります。その人にとって最善の方法ををとることですからまず救急車要請でしょうか。続いて事故が起こらないようバイクを端へ寄せたり自身の安全にも配慮することも必要です。
 不慮の事故や故障の場合先頭のバイクに無線で正確に伝えることが必要です。後続の人が無線で前を走る人たちに連絡しますが、「すぐに助けよう」という思いや「慌てる」ため「○○さんが転倒!」「大変!転んだ!」と一言しか送信しないことがあります。状況を簡潔に言い何をしてほしいか送信しましょう。前を走る人たちにとっては戻ってほしいのかそのまま走ってよいのかわかりません。事故が事故を呼ぶことにならないため最後尾は無線と二輪の経験豊かな人を配置できるとよいでしょう。


○ 事例 3

  概要 転落 身体損傷無し バイク破損なし
  日時 1997年7月 17:00頃
  氏名 C氏 
  二輪 排気量 650cc
  場所 新潟県東蒲原郡村松町町道
  内容 福島県へのツーリングも終わりに近づいた町道の連続した小さなクランク交差点で、曲がり切れず道路わきの畑に転落。バイク、ラ
      イダーとも投げ出され横倒しとなる。
  対応 後続のクラブ員により先頭に連絡し即、人、バイクを道路に上げる。道路と畑の段差は50センチ程あるが畑のため地が柔らかかっ
      たことから大きな事故にならずにすんだ。そのまま自走で帰る。

○ 新津ツーリングクラブのツーリング中は午後それも夕方に事故が多く発生します

 この例以外にもコーナリング中の砂によるフロントからのスリップ転倒、狭い道路でのUターンのため立ちゴケなど数多くあります。例にあるような大きな事故の発生例を見ると午後からそれも夕方に集中する傾向があります。ツーリングをする上で夕方は注意力、集中力の低下から事故の確率が高くなることを理解し安全に(といっても一定のマイペースですが)走行するようにしています。

○ 急勾配の道での転倒、救出の方法

 比較的高い山での舗装のしてある九十九折のような道では何らかの拍子でストップすることがあります。ここでの転倒する人が多くなっています。ご多分にもれずブラインドカーブ!前車が見えたときはすぐ停車することになります。その時ギャが高いとストールしてしまいガクガクとエンストを起こし、慌ててギャダウンしますが間に合わず立ちゴケ状態から転倒してしまうようです。
 パワーと車重や速度との関係がありますが基本的にギァはいつでも加速できる状態におく、つまり低くしておくことが必要です。といっても避けられないのは避けられませんが。
 急勾配で停止しバイクから離れるには、バイクを斜面と垂直に置きギヤをローにいれエンジンを止める、サイドスタンドを出しバイクを降りる。救出や後方への注意を即す行動をしてください。また自分自身の安全のためにも状況判断から20秒で行動できればよい(できます)と思います。
ちなみに再発進は前後のブレーキをかけギヤをニュートラルからローギャへフロント、リアのブレーキを同時に緩めながらアクセルを回す坂道発進が必要です。付け加えてハーレーダビッドソンのような重量のあるバイクを急勾配から脱出させるにはバイクを下りた状態でエンジンをストップさせフロントブレーキとギァをローに入れたクラッチレバーでを徐々につないだり切ったり調整しながら下ります。
 実際急勾配のカーブで次から次へとバイクが積み重なり転倒者続出で修羅場になったことがあります。幸いけが人も無く今では笑い話になっていますがバイクの一山100円(実際は数百万円)状態はめったに見れるものではない!。
 
○ 故障、トラブルなど
       パンクは過去一回のみ。山岳走行、林道走行の時代を含めパンクは一回のみです。メカの人がパンク修理道具は持参するのですが
      そのメカの人のバイクがパンクしたのみです。運がいいのでしょうか。

      その他クラッチワイヤー切れ、雨によるプラグキャップリークでエンスト、キーを紛失、ガス欠などがありました。

○ 四輪の「切れる人」が増加傾向

  二輪を敵視する人が結構います。理由も無く走行中の列に強引に割り込んだり、幅寄せをしてくる人がいます。ツーリングの2回に1回の割合でこんな人が出てきます。後方を走る人はブロックしたり強引な追い越し車両を無線で知らせるなど気を使うものです。
さらに最近四輪の「イライラ人間」が多くなりました。理由は何でもよいみたいでトラブルを望む人が多くなり、些細なことで私たち二輪との間でもめることがあります。この場合、ツーリング中の全員ともめるのではなく特定の人一人に対し言いがかりをつけてきます。そうなった場合、みんなで取り囲んで仲裁に入りましょう。

○ レクリェーション保険をかけます。

 掛け捨てで補償金額も低いですが保険をかけます。安全意識を保つ上でも必要と考えています。さらにバイクを乗り続けるためには何といっても家族の協力が必要です。保険の補償は意外と家族に受け入れられ、再度バイク乗るときには効果があるようです(家族から苦情が来るかな?)。