★★★ 一人股旅 ★★★
by ロンリーウルウル出羽
◆1日目
新潟で暮らし始めて9年になるが、「そういえばまだ佐渡に行ったことがないな〜。やっぱり1度は行ってみたいな〜」と、ふと思いついた。
それでは1年のうち佐渡に行くにあたって、一番いい時期はいつかなと調べた結果、「そうだ!カンゾウが咲いている時期がいいな。」と思い、予定を6月5日に合わせる。
また、どうせ行くならとことん佐渡を堪能してやろうと思い、なら一泊二日ではなく、二泊三日もあればやりたいことがすべて堪能できるだろうという甘い考えのもと、6月7日(月)を有給休暇として万全の体制でのぞみました。
早速、佐渡汽船に電話し、行きは寺泊から出発し、帰りは両津から新潟に戻るルートにしました。
運賃は寺泊〜赤泊間、二輪自動車(750cc未満)で4,620円、両津〜新潟間では5,970円で行けました。(もちろんフェリーです。H16年現在)
インターネットや友達から借りた雑誌などでめぼしい所をチェックし、だいたいの計画を立て、後はその時の気分で佐渡を回ろうかなと考えていざ出発。
寺泊発9:50の船に乗る予定で、出航時刻の1時間前には現地に到着するように書かれていたので、新津を7:30に出発しました。天気予報では3日間晴れの予報だったのでヘルメットはクラシック系のゴーグルがついた物をかぶり、今回初めて野宿というものを体験してみようと思い、寝袋とアルミマットを持参し、リアバッグには雨具、セーター、ウエストポーチにはカメラ1台、デジカメ1台(150万画素 32M)、フィルム3本、所持金そこそこを携えてルンルン気分でゴーゴGO―ってなもんです。
寺泊には8:40には到着し、予約番号を受付に言ってチケットを購入し、その後、近くを散策して時間を潰しました。
予定通り船(えっさ丸)が出航し、せっかく乗ったので船の中を吟味すべく、上に上ったり室内を眺めたりしました。それでも時間が持て余したため客席で地図を眺め、色々と想像をふくらませながら空想にひたっていたり、ツバメの巣を見つけたので写真にとったりして過ごしました。この船は14ノットで走り、時速にすると、28Km/hぐらいとの事で赤泊には11:50に到着する予定でした。
赤泊に入港し、チケットを見せるのかなと思っていましたが、そんなものはなくバイクにまたがり、すぐ出発できました。
早速、たらい舟を体験してみたくて赤泊から西の小木(おぎ)に向かうが、お腹がすいたので小木港で、いかのカレーライスを食べてから、たらい舟へと行った。
小木の力屋観光汽船に着き、450円のチケットを購入し、一人たらい舟に乗る。
私も途中から櫂を使って動かしてみたが、かなり難しく、同乗していた人に笑われる。
うまく動かせると「たらい舟操縦士」書がもらえるが、残念ながらもらうことができず涙を流す・・・。
次に、佐渡に行ったことのある友達からすすめらてた矢島・経島に行く。
そこの売店では芸能人の色紙がおいてあったり、ここでもたらい舟の体験ができる。
矢島は名前の通り、良質の竹がとれるので矢を作っていたらしい。その矢で源頼政が鵺(ぬえ)を退治したとのこと。また経島は日朗という人が漂着し読経して一晩を明かした所だそうです。
その島を歩いて一周し、佐渡の最西端の沢崎鼻灯台へと向かう。途中に海潮寺があり、ここには順徳上皇がみずから植えられたという御所桜のあるところで有名な寺です。一本の桜に一重と八重の花が咲く珍しいもので、国の天然記念物に指定されていたので写真をとりました。
そして20分ほど西へ行くと沢崎灯台が見え、そこを通過し、西三川のゴールドパークへとバイクを進める。
40分ほどでゴールドパークに到着し、早速砂金取り体験をする。(600円)緑色のパンという容器を使って制限時間20分で砂金を8つGET!記念に自分で見つけた砂金を入れたカードを作った。(300円)
気がつくと16:00をまわっており、19:30には両津で薪能を見る予定だったのでそのまま350号を走って両津を目指した。すると道端に「梨の木地蔵」と書かれた看板を発見した。そういえば、旅行ガイドにいっぱい地蔵が並んでいる所があったなぁ、などと思いながら、たちよってみると、地蔵の数のすごいこと!
今までこんなに多くの地蔵が並んでいるのを見たことがないほどいっぱいあった。
なんでも、子供の病気平癒を必ずかなえてくれる地蔵で、願いかなった親たちが、身がわり地蔵を持参する風習があるとのことだった。ここでも記念に写真を取って両津に向かう。
ん?そういえばお腹がすいたな〜と思い、気がついたら新穂村を走っていた。街中をキョロキョロと見ながら走っていると、これまたガイドに載っていた「長三郎」という、寿司兼ラーメン屋を見つける。もともとはラーメン屋だったらしい。そこで夕食をとることにきめ、「肉ラーメン」を注文した。さすがに紹介されているだけあって、「うまい」の一言であった。気をよくした私は2かんで300円のホタテ寿司を頼んだ。いままでそんな値段のホタテなんて食べたことがない。なんたってもともと魚系がだめなのだから・・・。
どんなすごいホタテがでるのかと期待して食べたが、なんてことはないただのホタテであった・・・。うーん、俺の舌がおかしいのか?と思った瞬間だった。
腹ごしらえもすませ、再び両津へ向かう。
両津に着き、薪能の舞台である「椎崎諏訪神社」を探すが見つからず、佐渡観光協会を訪ねて詳しく教えてもらった。ついでにドンデン高原で野宿は可能か聞くとたぶん大丈夫でしょうとのことで、野宿を心に誓った。
神社はかんぽの宿のすぐ近くにあり、すぐわかった。神社についたのが18:30で私が一番であり、すでにゴザが敷いてあったのでアルミマットで陣取りし、舞台を見学、写真をとった。今回の薪能は無料である。しおり(解説付き)をもらって、佐渡についてから休んだことがなかったので、能が始まるまでアルミマットで横になって休んだ。
19:30になり、ナレーターが本日の能の演目「鵺(ぬえ)」について解説した。
演技でのセリフはほとんどわからなかったが、事前にHPで調べた解説などで、だいたいの流れがわかっていたので、すんなり能に入り込めたと思う。
21:00には能が終わり、堪能した後、ドンデン山へ野宿に向かう。
ドンデン山を登って行くと、看板があり、「この先通り抜けはできない」とのこと。
途中にドンデン山荘というのがあったので、そこにお願いして軒下に野宿させてもらうことにした。
22:00、アルミマットを敷き、寝袋にはいってそのまま寝た。
が!どうにも寒くて夜中の1:00には目を覚ます。
◆2日目
このまま我慢して寝ようか、下山しようか、1時間ほど考えたが、やっぱり寒いので下山することにした。
また両津に戻ると山とは違い、温かい風がふいていた。どこか飲み屋みたいな所で時間つぶしはできないかなと思い、街をぷらぷらと走らせるがすでに街も眠っていた・・・。
しかたがないので、いっそのこと佐渡一周コースを走ってしまえと思い、水津の姫崎灯台へと向かう。寒さに歯をくいしばりながら!
そのまま一周コースの県道45号線を走っていると、柿野浦と言うところで、落石?土砂崩れ?があり、通れなくなっていた。少し戻り、赤玉という所で県道319号があったのでそこから一周コースへ行くことにした。
しかしまだ暗かったため、どこをどう走っているか分からなくなり、気が付いたら砂利道を走っていたりし、ここは誰も通らないだろうというような道を突き進んでいくと、小倉峠に来ていた。その頃にはすでに明るくなっており、道路標識もきちんと見えるようになっていた。今、地図をみたら、どうやら国見山→木金山→東境山を越え県道181号にいったらしい。
5:00、すでに寒さに耐えられない程になっており、真野のセーブオンにてカップラーメンとホットコーヒーを飲むが、焼け石に水状態である。このままではバイクで走る事もままならず、もう少し気温が上がるまで待とうと思い、立ち読みなどして時間をつぶす。
地図を見ると、真野から赤泊までの県道65号線があり、とにかく道という道を走ろうと思っていたので、この道を制覇することを思いつく。気温も少しはあがったようだが、まだ体は寒い。しかし走りたいと言う気持ちが勝り、一路、赤泊へと向かう。
赤泊に着き、ここが昨日の出発点かと思いながらフェリー乗り場をみると、近くに公園があったので、そこのベンチにアルミマットを敷き眠ることにした。その頃にはいい感じに暖かくなっており、かなり熟睡してしまった。
起きると時間は8:30であり、どこか見学する所はないかと辺りをみると、すぐ近くに「北雪酒造」があるではないか!
早速、見学しに行くと、「今は酒蔵の床が滑るから見学はできない」との事だった。
試飲するのはいいと言われたが、バイクだったので断った。酒が飲めない代わりに涙を飲んでしまった・・・。うううっ!(泣き)
また小木方面に向かうと今度は「味噌醸造資料館」があった。
無料だったので見学すると中にはとても大きい味噌樽が22個も置いてあった。高さ2,6m、上の直径3,1m 下の直系2,62mで内容量味噌14t食数換算78万食とのこと!(すごい!)なんでも、日本で初めての味噌会社とのことで主に北海道に運んで売っていたらしい。味噌造りの道具やビデオを見て、味噌汁をよばれて小木を後にした。
まだ、時間が9:00だった為とりあえず、13:00に能面作りを予約していた真野町へと向かう。
途中に佐渡歴史伝説館があったため、そこに立ち寄ることにした。
入場料700円で入り、内容は日蓮上人や世阿弥のことを等身大のハイテクロボットが演技して教えてくれる、歴史好きの私にはとてもおもしろかった施設だった。
佐渡歴史伝説館をでるとおいしそうなそば屋があったため、そこで食べ、時間的にちょうどよく、真野町の潮津の里に着く。
そこでは、紙粘土で作られた手の平サイズのおかめに色とニスを塗り竹でできた板に能面を貼り付けるという作り方をした。(1200円)
あまり手先が器用ではないため、とにかく慎重に色を塗り潮津の里の先生と談笑しながら、佐渡のことなどを聞いていると、今日は佐渡市竹田の大膳神社で薪能の「葛城」があると言う事と佐和田に「うらしま」というおいしい料理をだすホテルがあると言う事だった。
話をしているうちに、ニスも乾き大事にリアバッグに能面を入れ、前日の野宿によるつらい経験もあるため、佐和田のホテルを予約しに行く。
しかし、あいにく満室とのことで、隣のシルバービレッジ佐渡に予約した。
予約をすませ、今度は佐渡一周コースを走りながら佐渡金山を目指し、途中に夫婦岩があったため写真を撮って、14:30には到着する。
佐渡金山では模型の人形が各々置いてあり、その横にはどんな作業をしているところなのかという説明が書いてあった。
資料館のような建物にはいると、直径10cm程の穴があいた透明なプラスチックのケースに金の延べ棒(12.5Kg)があり、それを取ることができたら景品がもらえるとのことだったので、挑戦するが重いわ、すべるわでとても持ち上げることすらできなかった。
金を買いたかったがそんなお金があるわけも無く、金箔入りのコーヒーを飲んで少しリッチな気分にひたっていた。
近くに佐渡奉行所もあったが、閉館時間になっていたため、次に大佐渡スカイラインを走ることにした。
そこでは乙和池(高層湿原生浮島のある池)と白雲台により、白雲台の大パノラマに感動した。
おそらく、秋に来るともっといい風景なんだと思う。
スカイラインを降りた所の町が金井であり、シルバービレッジ佐渡から20分程だったため、とりあえずホテル(8800円)に向かうことにした。
ホテルで一休みし、20:00に大膳神社で薪能があるため、それに間に合うようにホテルをでた。
大膳神社に行くまで20分程だったのだが、次第に天気が悪くなり着いた頃には小雨が降り始めていた。
天気予報では夜に雨が降る予報だったらしく、運動会などでつかうテントが張ってあり、そこで見ることができた。
しかし、疲れていたためか途中で眠気がさし寝てしまった。残念!
薪能が終わり、帰る頃にはかなりいい降りになっていたため、雨具を着て途中で缶ビールとつまみを買ってホテルにつきゆっくりと夜を過ごした。
◆3日目
3日目は私の期待を裏切りあいにくの雨であった・・・。
佐渡滞在中は雨が降らないと思っていたため、クラシック系のゴーグル付きヘルメットはさすがに顔が痛かったが仕方なく、たまに左手で顔をかばいながら運転していた。
佐和田から相川にぬける際に中山トンネルをつかってショートカットし、一路、尖閣湾に行く。
尖閣湾では海中透視遊覧船(700円)に乗り、絶景と海の中を楽しむ。
あいにくの天気だったが、ドラマ「君の名は」の舞台だったことを知りとてもいい所だった。こじんまりした水族館もいい味をだしていました。
雨はますます強くなっていったが、そのまま大野亀に向かいカンゾウを身に行く。
行ってみるとカンゾウの花が咲き誇っており、初めてみたけど、とても綺麗な黄色い花でした。(12:00到着)
雨具を着たまま、周りを散歩し、最後に大野亀の頂上に登ってきました。3〜40分ぐらいで登れたと思います。
頂上には灯篭が建っており、拝んで下山しました。
ここで昼食を食べ、ここから5分ほどで着く賽の川原に行きました。
幼くして亡くなった子供の冥福を祈るための地蔵様や風車がたくさんあり、ちょっと変わった雰囲気がするところでした。
その後は両津付近でウロウロしようと思い、両津に向かう。
この頃にはだいぶ雨も小雨になり、降ったり降らなかったりしていた。
両津に着いた時点で佐渡一周は達成!
周囲約277Kmを走破しました。
帰りのフェリーまでだいぶ時間があったため佐渡能楽の里に行く。(800円)
能楽の里では貴重な能面や衣装が置いてあり、私が能のなかで一番見たかった演目の「道成寺」をロボットが演じてくれてよかったです。演技は短縮されていたけど・・・。
その後、近くにトキの森公園があったので、トキを見に行くが時間が30分足りなかったため見れずに終わってしまった。
仕方なく国道350号を走っていると佐渡銘醸(天領盃)のお店があったのでここの酒蔵見学でもさせてもらおうと思ったが、またもや閉店・・・。
そのまま両津に戻っていると、回転寿司ダイハチ見えてきた。
なんでも、佐渡の寿司屋は回転寿司でもおいしいと聞いたことがあるので、あえてここの寿司屋で食べてみたくなり、夕食とする。
さすがに普段食べている回転寿司とは違い、ネタが大きくおいしかった。
お腹も満たされ、19:40発新潟行きのフェリーに乗るため、港に向かう。
港にバイクを置き付近を散策する。
加茂湖が近くにあったためそこで佐渡で最後の記念写真を撮った。
港ではお土産を買ったりして時間を潰し、19:40フェリーが出航しました。
帰りのフェリーは行きのえっさ丸とは違い、ちょっとしたゲームセンターがあったり、食堂があったりと少し豪華でした。
22:00に新潟に着き、新津まで帰る道中、いきなりの雨にやられ、もう雨具を着るのも面倒くさくなっていたのでびしょ濡れで新津まで帰りました。
とにかく無事に帰れてよかったです。
総走行距離は530Kmでした。
いや〜感無量です。