新津ツーリングクラブ 2006.6月 Web版 会報

ライダーにいつ


大内宿ツーリング  (福島県南会津郡下郷町)

1 朝

平成18年6月4日の新津ツーリングクラブの目的地は「福島県下郷町大内宿」。
前回のちょいのりツーリングも好天に恵まれ、楽しいツーリングであったが、本日も朝から初夏の日差しが眩しく、ライダー諸氏にとってはうれしい一日となりそうである。
朝の7時に新津支所前を出発するので、前夜は目覚まし時計を5時30分にセットして寝たのであるが、朝の4時30分ころに目が覚めてしまった。このところ好天の日は朝の4時頃には空が白み始めるので、迷うことなく起き出して出発準備にかかった。
今日のツーリングには古くからの親友であり、今日が新津ツーリングクラブ初参加の大内氏と6時30分に待ち合わせをすることから、6時にR100RSとR100ミスティックを置いてある駐車場ヘ向かった。
大内宿ツーリングに大内氏が初参加とは語呂合わせも良く、楽しいツーリングになりそうだ。

2 新津は消防団演習日

大内氏と約束時間に落ち合い、いつもの新津支所駐車場前に6時40分に到着するが、いつもの様子と大きく違っている。大体の集合時間には日曜日の早朝ということで我々の姿しかない駐車場であるはずが、赤い車が数台駐車している上、紺色の制服を着た数十名の人が駐車場内に気ぜわしく立ち振る舞っているいるのだ。今日は新津消防団の演習日と重なっていたのである。
ハーレー乗りの中野氏と大内氏を含んだ我ら4人が一番早い到着だったらしく、近くにクラブの人の影は無かった。仕方なしにいつもより奥の場所にバイクを並べ、クラブ員の集合を待つことにした。
その後、次々と参加者が集まってくるが、やはり、我々が驚いたように、いつものところに消防車が並べられていることから、入って来て良いものやら悪いのやら半信半疑で一番奥まった我々の方に一台、また一台と集合し、バイク総数は23台となった。
消防団の人たちもバイクが20台以上も集まっているのを見て、なにやら驚いたような顔をしていた。

3 出発

7時ちょうどに出発前ミーティングを行い、走行順序の確認などを終えてから体型を整えて新津支所駐車場前を後にしたのは7時5分であった。
市道の通称東島スカイラインで磐越西線新関駅付近へ出て、県道231号を南下し、五泉市村松へ抜け、鯉料理で有名な三の宮の手前から国道290号で国道49号との接点である阿賀野川の馬下橋に出る。橋を渡り国道49号に出て、福島県方面に進むこと500mほどでサービスステーションがある。タンクのガソリン量に不安のある人はこのサービスステーションで給油をすることになっている。今日も5台のバイクが給油に入っていった。本隊は10q先の阿賀町町の駅「巨木の里」で時間調整をしているので給油後各自は道の駅に向かえば良いのである。給油中に国道をゴールドウイング1800サイドカー板井さんが道の駅に向かって走行していった。全員が道の駅「巨木の里」に集合し、今日の参加者は24名となった。時間は8時ちょうど。距離は35q。天気よし。これからがお楽しみである。

4 福島県へ

阿賀町道の駅「巨木の里」で再度隊形を編成し直し、8時20分に次の休憩地点、福島県三島町道の駅「三島」へ向かって出発した。
国道49号は阿賀町津川を過ぎると山間部となり、ワインディングが散らばるバイクロードである。また、国道49号は常に道路工事をしている国道で、片側交互通行が繰り返されるのであるが、津川を越えてからの工事が本日は1回のみと少なく、各自は快調なペース・快いエンジン音に包まれて福島県境に到達した。
一行は福島県に入って西会津町、会津坂下町の入り口までの国道のワインディングを駆け抜け、磐越自動車道の会津坂下IC手前から国道252号へと走り続けた。

5 道の駅「三島」

国道252号は国道49号を右折し、南西方向へ進路をとる。国道252号と言えば、新津ツーリングの面々が思い描くは柳津町の小池屋粟饅頭である。しかし、今日は福満虚空蔵尊を横目で見ながら最近出来たという道の駅「三島」を目指しての走りである。
休憩地から70q、1時間15分後の9時35分に一行は道の駅に到着した。道の駅「三島」はあまり大きな施設ではないが、木造で湾曲した正面を大きなガラス窓で飾ってある建物で、テラス部分には椅子とテーブルが用意されていて休憩するには都合の良い施設であった。
早朝の出発で腹の虫が泣いている者はすかさず、おにぎり・インスタントラーメンで腹をなだめているが、大多数の者はコーヒーやジュースで喉を潤していた。
ここでの休憩は約30分。腹も喉も満足した一行は次の目的地である金山町玉梨豆腐茶屋を目指して10時に道の駅を後にした。

6 玉梨豆腐茶屋

道路は三島町からJR只見線会津川口駅前から左折し、国道400号へと変わる。
目的地の玉梨豆腐茶屋へは、道の駅「三島」からは30分、26qである。
金山町は俗に言う内陸高地であり、冬は大変寒く雪の多い土地である。国道に面する金山スキー場は一般にはあまり知られていないが、小さいながらパウダースノーの滑りやすいスキー場としてスキーヤー、ボーダーに人気のスキー場である。
新津ツーリングクラブは、4年前の平成14年の7月に同じく大内宿を目指したタイムスリップツーリングで玉梨豆腐茶屋に立ち寄っているから、今回が2回目の訪問である。
前の日にクラブの事務局が人数を報告していることから、すぐに「青ばとおぼろ豆腐」と、揚げたての「青ばと生揚げ」が運ばれて来た。「青ばと」とは大豆の前の枝豆の事である。豆腐や厚揚げの中の色は薄い緑色に食欲をかきたてられるのである。もちろん豆腐、生揚げとも枝豆の香りと甘さを残していて口いっぱいに味と香りが広がるのである。
一行は11時過ぎまでゆっくりと時を過ごし、豆腐店前で記念写真を撮った後、11時20分今日の目的地、下郷町大内宿を目指して出発した。

7 国道・県道

玉梨豆腐茶屋前の国道400号を南東へ下ると町は昭和村となる。
国道400号は近年かなり整備され、走行し易くなっては来ているが、数十カ所は未だに対向車とのすれ違いに気を遣わなければならない道路であると共に、クネクネと急なコーナーが続く道のため、バイクでも走りにくい道路だ。
昭和村と下郷町の境は標高970mの舟鼻峠である。峠まで上り詰めると道路は福島県の県道346号、昭和・下郷線となる。県道346号の山道を約10q西へ走り、続いて中山峠へ向かう県道131号を5qほど北上すると目指す大内宿へ到着するのである。
両県道とも道路の整備は比較的良いのであるが、山道はライダーにはかなりの疲労を与えてくれる。そして、山間部のいくつかの集落は古い会津の民家の様子を今に伝えてくれていて、もうすぐ大内宿であるような錯覚を起こさせるが、50qの道のりは約1時間を要するのである。
一行は12時30分に大内宿の駐車場前に到着した。

8 大内宿 

ようやく大内宿の大駐車場の前まで来た我々が見たものは、駐車場に入りきれない車であった。それでも、駐車場の整備員の指示で200bほど先の道路の路側帯にようやくスペースを見つけて駐車をすることが出来た。
最近の大内宿は人気が出て、平日でも駐車場は満杯状態となるくらいの人出だそうである。昨日も内閣総理大臣の小泉純一郎氏が千円札の肖像に使われている猪苗代町、野口英世博士の生家を視察した帰りに大内宿をも見学されて行かれたのだ。
我々は駐車した場所の関係で順路通りの見物は出来ず、この度は途中の道から大内宿の集落内に入っていくことになった。大内宿は前回に来た時と同じ佇まいを見せているが、人並みは以前よりも多く、人気の高さを伺い知ることが出来る。道の両側に並ぶ茅葺き民家は、より一層古い宿場町の様子を再現しているように感じられるし、道路の両側を流れる用水も以前と同じく透明で冷たい水温で、一瞬にして古き良き時代を連想させてくれる。まさに100年以上前の時代へとタイムスリップさせてくれるのである。時代劇に出て来るような頭にちょんまげを結っている人が歩いていたら、まさしくここは江戸時代の宿場町である。
茅葺きの家々はほぼ全戸が通りに面した向きに土産物や土地の産物を売っていて、奥の方では地元の蕎麦を提供しているのだ。ツーリングクラブの一行は資料館前で記念写真を撮った後、空腹を抱えて各自が行きたい食堂に行って昼食を食べることとして解散した。
集合は午後2時である。

9 ねぎ蕎麦

大内宿で近年有名になったものに「ねぎそば」がある。
一般には蕎麦の上に刻みネギを載せてある丼を想像するが、大内宿のねぎ蕎麦には丼の上にネギが一本載せてある。その一本のネギを箸代わりに蕎麦を食べるのだ。いや、蕎麦を啜るのだ。薬味のネギは箸代わりのネギを囓るのである。もちろん卓上には割り箸も用意されていて、最後は割り箸で食べても良いのであるが、通は最後までネギに蕎麦を引っかけてネギの緑の葉の部分まで食べるのだ。この日は夏日を記録するほど暑い日となったが、熱い蕎麦だけでなく、冷たい蕎麦も有るのだという。私たちが入った「大和屋」さんでは午後の1時過ぎではあったが、お客の数は並んでいるテーブルにほぼいっぱいの盛況さである。少し平たい手打ち蕎麦を堪能した後、20数軒以上はあると思われる大内宿の全部の店を見物しているうちに2時近くとなったのでバイクを駐車してある場所に向かった。

10 大内峠越え

4年前のコースでは大内宿から県道329号を通って会津西街道と言われる国道121号を利用して会津本郷町へ向かったのであるが、平成16年に県道131号は大内宿から北へ向かって大内ダムの湖畔を走り、大内峠を越える道が完成していた。そこで、今回は直接会津本郷町へ向かうこととなった。
ダム湖の大内沼は沼とは言ってもかなり大きな人造湖である。両側から走っても最後は一本道となって、会津本郷町へ下る急坂でタイトなコーナーの続く山道である。ゆっくりと走れば景色は山々の重なる絶景であるが、楽しみながら走るというよりは、連続するコーナーを如何にバイクを操り、きれいにコーナーを抜けていくかに気を遣うのである。県道131号を下り切るとようやく会津本郷町に入る。ここからは比較的直線の多い県道72号を北上して会津坂下町へ、そして、国道49号に接続するのである。

11 西会津町道の駅「西会津」

県道131、72を経由して国道49号に至り、西に進路をとると新潟県方面である。
国道49号を抱える会津坂下町は繁華街が国道に面していることから、道路の両側から車が進入してくるので、道路は自動車で渋滞し、いつもいらいらさせられるのである。今日もいつものように道路が混んでいて、走り難いといったらない。それでも我慢をして市街地を越えるとようやく少しだけレベルの高い走りが出来るようになり、気持ちも良くなって西会津町道の駅「西会津」に到着する。距離は55qでも1時間20分を要したことから、いかに会津坂下町が走りにくい町か分かろう。
ま、会津坂下町についてはそれも良しとして道の駅「西会津」は?である。まず、道の駅としての案内場所は大きな駐車場の片隅に置かれ、どこが道の駅かよく分からない。トイレは汚い。目につく大きな建物は地域の物産館で売らんかな。ゆったりと休む場所もないのである。

12 新潟県へ

?の道の駅「西会津」を午後3時40分に出発し、再び新潟県阿賀町に入る。
下りのワインディングが続く国道49号を時速70q以上で走行するので、とても楽しいライディングが楽しめるのである。道は阿賀町津川、三川と阿賀野川沿いに日本海を目指して西に走り、道の駅「巨木の里」を通過して最終休憩地の道の駅「阿賀の里」へと結んでいる。
「阿賀の里」に到着したのは午後4時35分。「西会津」からは43qであった。
阿賀野川に面した駐車場では早速解散式となった。狩谷さんから「事故なく24台が楽しく走れたことに感謝したい。次回のツーリングもよろしくお願いしたい。」との言葉で今回のツーリングは終了した。

13 自宅へ

道の駅「阿賀の里」での解散後、メンバーの多くはぐったりした様子で、木陰の芝生で大の字になったり、横になったりして余韻を楽しんでいた。
私とミスティック石井そして今回初参加の大内氏は解散したあとすぐに帰宅の途についた。
自宅到着は午後5時30分。走行距離はちょうど300q。本当に楽しいツーリングであった。次回は一泊ツーリング。
秋田県秋の宮温泉でお会いしましょう。   by いしい