新津ツーリングクラブ 2002.10月 Web版 会報
ライダーにいつ
しゃくなげツーリング(福島県南会津郡只見町)
1 台風の動きとその後の天気
台風21号は9月27日頃日本の南海上に発生し、非常に強い雨風を伴って時速65q以上の早さで小笠原諸島付近から急に北上し、10月1日未明には関東に上陸。即日、東北地方を縦断して10月2日には北海道に再上陸した。
今年は自転車並の速度の台風が多かったので、楽しみにしているツーリング日にかかるのではないかと心配されたが、足早に通り過ぎてくれたので一安心というところであった。 しかし、天気予報では台風一過10月6日まで好天が続くことになっていた。この頃の天気は5日間も続くことは珍しく、かえって雨が心配される予報であった。
それでも予報通りの天気が続き、どうやら10月6日は雨の心配をしないですみそうな気配となった。
2 今日は紫雲寺町からの出発
今回は恒例になっている福島県只見町のドライブイン兼民宿「しゃくなげ」さんを目指すのんびりツーリングである。
朝8時、いつもの新津市役所駐車場を出発する予定であるが、私の場合、勤務先の町のクリーン作戦が早朝6時から7時に行われるため、前日から住宅に泊り、クリーン作戦終了後、R49三川村道の駅「巨木の里」で合流する予定となっている。前日の3時過ぎにガレージからBMW
R1150RTを引き出し、新津市で給油をしてから宿に向かった。
夜は一人で晩酌をして目覚まし時計を5時にセット、午後9時には布団に潜り込んだ。
6日は早朝5時前に目が覚めた。枕元の障子戸を開けるとまだ辺りは薄暗いが、雨は心配ないようである。気温も15℃以上で寒くない。
クリーン作戦後、出発準備に掛かり午前8時に住宅を後にした。
新津では会長の川崎さんの挨拶があって、橋本さんの走行上の注意も終わって、それぞれのバイクに火が入った頃であろう。
3 道の駅「巨木の里」
住宅前でR1150RTのエンジンをかけてエンジン音を聞く。R80の音は低音でバタバタという音に聞こえたが、R1150RTはガサガサという音に聞こえるのは私だけかなと思いながら住宅を出て、紫雲寺町・順調に新発田市を通過する。 新発田市からのR290は細い道だが交通量も少なく、適度なカーブが楽しめる。途中、美人になれる温泉「月岡温泉」が右手にみえるが、中でも日本の温泉宿では5本の指に入ると言われる「ホテル華鳳」が目に入る。 月岡温泉と言うとバブル華やかな頃、芸者さんが250人以上いたと言うが、最近では少なくなったという話しである。 しばらく走ってR49に入ったのは8時40分。本隊はすでに巨木の里に到着している頃である。
R49も交通量は少なく順調に走行後、取上トンネルを抜けて巨木の里には8時50分に到着。ここまでの走行距離
51q。巨木の里において全員集合。本日の参加は21台、21名である。
田上町のBMW渡辺さんの初公開BMW R60は1960年代のバイクであるが、きれいにレストアされている美車、また、新潟市の小山さんはBMW
R1150Rでの参加予定であったがABSの調子が悪いことから、アルファのデモ車BMW
F650スカーバーでの参加となって人気を集めていた。9時15分、次の休憩地点である福島県柳津町
小池過菓子店へ向けて出発した。
4 R49からR252
総勢21台が繋がって走行すると距離は約300mにもなるので、2班に分けて三川村道の駅を後にした。このときの気温18℃ R49はこの時間になっても交通量が比較的少なかったが、信号機にかかるたびに自家用車が隊列の間に入り込んで分断された状況になる。しかし、2班の先頭刈谷さんは津川町と上川村の分岐点を過ぎるまでじっと我慢して前方の車の後ろについて走っている。 追い越し可能になった直線道路になったとたん、すかさず80q/h以上で4台の車を追い越した。後続のバイクも次々に追い越しをしているが、2班全員が1班に追い着くまでには、カーブが多いことから15分間以上かかったようである。 一行は制限速度+10qでR49のワインディングを楽しみ、10時前に新潟県と福島県の県境を越えて西会津町へ入った。
西会津町は「山の神」信仰で知られた町で、国道から山に入った神社には毎年多くの参拝者が訪れている。また、福島県では昔から馬肉を食べる習慣があって、各地で馬刺が売られているが、駅前の「同気食堂」で売られる馬刺が有名である。肉そのものは淡泊で味はないが、特製みそ・香辛料を醤油に溶いて食べる馬刺は最高である。古来、馬刺は「蹴っ飛ばし」とも言われ、普通の人が馬刺を食べるとその辺にあるものを蹴っ飛ばしたくなるくらい元気が出ると言われている。
R49をそのまま進行し、只見川にかかる藤橋を渡ると福満虚空蔵尊で有名な柳津町である。柳津町ではいつものように小池菓子店を目指してR252へ進路をとった。
5 小池菓子店と佐藤理容店
10時25分、走行距離108q。R252を全員快調に走行して、タイムスリップツーリングでも立ち寄った粟饅頭で有名な「小池菓子店」で2回目の休憩をとった。小池菓子店の前は細い道路なので21台中、駐車場に入らないバイクは道路に置くことになる。皆がそれぞれバイクを駐車させていると、お店のお姉さんが出来たての湯気が出ている茶饅頭をお客様や我らツーリングクラブ員に配ってくれた。一個70円の饅頭の試食はとてもうれしいものだ。
いつものようにお店の中に入ってセルフでお茶を入れ、出された漬け物を食べている人やお土産の饅頭を買うために並んで待つ人で賑やかな光景が繰り広げられた。そんな中、先頭を走って小池菓子店から少し先にある理容店の前に駐車した橋本さんがおばさんと何やら話しをしている。店の前に駐車されると困ると言うクレームでも付けられたかと心配していると、「床屋のおばちゃんが店に来てお茶を飲めと言っている。せっかくの誘いに行かなくては悪いから行きましょう。」とのこと。橋本さん始め、会長の川崎さん、ドカの渡辺さん、TWの土田さん等と佐藤理容店へ伺った。
おばちゃんの名前は佐藤アヤ子さん。息子さんが消防署にお勤めでバイクに乗っていると言う。「子どももバイクで出ると色々な人から面倒を見てもらっている。」との事からバイクで来た我々に声をかけたのだと言う。
店ではすぐに緑茶を勧めてくれた。自分の家の井戸水で入れると他で飲むお茶より旨いと言うので飲ませていただいたが、確かにおいしいお茶であった。
小池菓子店ではおいしい漬け物を食べさせて頂けると言う話しをすると、奥から茄子漬けや野菜の漬け物も持ってきてくださって、「これは私が漬けたもので旨いから、是非食べてくれ。」
本当においしい漬け物でした。そして、お昼のおかずにして食べろとビニール袋にいっぱいの漬け物まで持たせてもらいました。佐藤アヤ子おばちゃん有り難うございました。また来たときもよろしくお願いします。
柳津では、佐藤理容店のおばちゃんと仲良くなったと言うドラマを生んで11時に出発した。
6 只見町へ
R252は道路幅が狭い上、カーブ、トンネルが多い道路で走りにくい道でもあるが、只見川を右に左に見ながら仲秋の会津路を楽しむことが出来た。11時50分に只見町に入る。少し行くと川沿いに「河井継之助記念館」の看板がある。河井継之助は戊申の役当時、長岡藩の筆頭家老で長岡藩を存続させるため、朝廷軍にも幕府軍にも属しない中立の立場を採ろうとした人物である。
しかし、朝廷軍はそれを認めなかったことから会津藩を中心とする奥州連合に加盟して朝廷軍と戦うこととなり、見附市の赤坂峠で負傷、南蒲原軍下田村から只見町入叶津への山道30qを戸板に乗せられて落ちのびたけれどもこの地で終焉を迎えている。長岡市に記念館が無くて会津に記念館があるのは納得がいかないが、只見町の人の優しさが分かるようである。
記念館前を過ぎること10分、一行は12時5分に目的地の「ドライブインしゃくなげ」に到着する。ここまでの走行距離は
166q。 気温は21℃に上がっている。
7 ドライブイン しゃくなげ
R252に面したドライブインしゃくなげは只見町の中心地から少し外れた位置にあり、
店の前に大きな水車が目を引く。 新津ツーリングクラブは15、6年前から一年に一度はこの店を訪れているが、メニューに無い料理をマスターの長谷川さんが作ってくれるという店である。
また、長谷川さんは音楽にも堪能で、ご自身はフルートを演奏されるが、お子さんはピアノの演奏をされ、家族で合奏を楽しまれているそうである。今日もお店に入ったとたん、テレビで放映された長谷川さんのフルート演奏の様子がVTRで映し出されていた。
大多数の人はメニュー通りの定食を頼んでいたが、ここでも橋本さんは山菜ナメコ味噌ラーメン大盛り、山井さんは山菜ナメコ味噌ラーメンをオーダーしているので、私は味噌ラーメンカツトッピングをオーダーした。いったいどんな味のラーメンになるのか。食べてみなければ分からない。
21人の色々な注文が出ていたが、定食類を最初に作りラーメンは最後の方になってから作るとのことで、麺類を頼んだ人が食べ始めてのは1時間後だった。でも、一番最後に出てきたのは一番最初にチャーハンをオーダーしたハーレーの諸橋さんだった。
ほとんどの人が食べ終わった頃、スズキGR650の吉川さんがバイオリンを弾き始めた。それにマスターの長谷川さんのフルートが加わって合奏となり、さらにホンダゼルビスの石井さんのピアノが参加して時ならぬミニコンサートが開かれた。
ゆっくりと休むこと30分、記念写真を撮って午後2時20分、ドライブインしゃくなげを出発することになった。いざ出発というところで、吉川さんが「鍵がない。」余裕のある人が一緒に探してやってようやく発見。良かった良かった。
8 田子倉ダムから道の駅R290とちお
ドライブインしゃくなげを発って走ること10分で田子倉ダムの下に着いた。ここでも恒例の記念写真を一枚。この後休憩は「道の駅R290とちお」までとらない予定である。短時間ではあるが、急勾配、急カーブを登って田子倉ダムのダムサイトへ出るが、ダム湖を見ることもなく一路小出町方向へ走った。
この時期、R252はやたら道路工事区間が多く、信号待ちを十数回を数える。また、この道路は狭いトンネルが多く、全部のトンネルに照明が無いため、サングラスをかけたままトンネルに入ると、瞬間ではあるが全く前方が見えないと言う怖い道路である。
急なワインディングを下って行くこと40分程で山菜共和国・入広瀬村の中心部に到着する。ここまで来れば隣村の守門村でR290に進路をとれば最後の休憩地点である道の駅「R290とちお」である。
R290は比較的広い道路で、適度なワインディングが散らばる楽しい道路である。全員ここでも快調に走行し、午後3時45分、休憩地点に到着した。走行距離は228q。道の駅では、皆さんかなり疲れてはいるが、有名なジャンボ油揚げの揚げたてを食べたりお土産に買ったりしていた。
9 解散式
午後4時5分。橋本さんから合図があって、ここで解散式をする事になった。予定では下田村へ入ってからだったのだが、「予定時刻が遅くなったことと、それぞれのコースで家に向かった方が早く家に着く事が出来る。」と言うことである。
会長の川崎さんも、「家に帰るまでがツーリングである。気持ちを引き締めて安全運転で帰ってください。」と挨拶をされた。この後、今年のツーリングは今回で全て終了したが、大反省会を11月9日(土)から10日(日)の一泊二日で行うという連絡があった。会場は五泉市咲花温泉で、全ての温泉旅館に源泉を供給している「柳水園」飲み放題、二次会付の1万2千円である。
解散式の後、それぞれ自分のペースで家路につき今回のツーリングは終了した。
10 仮面ライダーと遭遇
道の駅「R290とちお」で解散後、私と家内はR290で栃尾市から下田村を通過し、村松町から県道で大沢峠を越えてR403へ抜け小須戸町矢代田へ向かった。
辺りも薄暗くなった5時27分、矢代田小学校前で対向車線に不審なバイクと遭遇した。すれ違いざまによく見るとなんと仮面ライダーである。テレビで見るコスチューム通りの仮面ライダーとすれ違ったのである。仮面の目の部分が真っ赤に輝き、マフラーを翻したライダーは颯爽と田上方面に向かって去っていった。きっとショッカーがいるのに違いない等と考えながら家のガレージにR1150RTを入れたのは午後5時30分だった。
本日の全走行距離 288q
11 今回の参加者及び参加車両 (順不同)
スズキ ジェベル 川崎
〃 GS850 橋本
〃 ジェベル 野村
〃 GSX750 刈谷
〃 GR650 吉川
〃 GSX1400 古田
〃 デスペラード 円山
〃 スカイウエーブ 磯部
BMW R60 渡辺
〃 スカーバー 小山
〃 R1150RT 石井
ホンダ ゼルビス 石井
〃 CB900 高木
〃 シャドウ 中野
〃 CB750 曽川
〃 XR250 渡辺(ドカ)
カワサキ ゼファー1100 小林
ヤマハ XJ750 山井
〃 TW200 土田
〃 ドラッグスター 坪川
ハーレー ファットボーイ 諸橋
次は大反省会でお会いしましょう。 文責 石 井 孝